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【妻と一緒の生活を続けたい】末期がんのご入居者様をお看取りした事例
2024.02.06
はじめに
「最期まで妻(夫)と暮らしたい」 長い人生を共にしているご夫婦は、このようにお考えの方も多いのではないでしょうか。自分の余命が長くはないとわかった場合、残される配偶者への心配は大きくなります。 今回紹介させていただくH様は、病前に認知症の奥様の介護をされていました。ご自分ががんの末期でありながら、常に奥様のことを心配される方でした。残された時間を奥様と過ごす場所として【センチュリーテラス船橋】にご入居され、ご家族様に見守られながら最期を迎えられています。事例紹介
今回はY様の事例をご紹介します。当初は脳出血後遺症に対してのケアを中心に行っていましたが、入居中末期がんであることが判明し、お看取りまでさせていただきました事例です。H様(男性)
年 齢 | : | 90歳 |
主な病名 | : | 肝細胞がん末期・高血圧 |
要介護度 | : | 要支援2 |
家族構成 | : | 妻(90歳)との二人暮らし。※妻には認知症があり、H様が介護を行っていた。 長女(別居・市内在住)、次女(別居・県外在住) |
導入サービス | : | 訪問看護、訪問介護、訪問診療、福祉用具貸与 |
●療養上の課題と目標
H様の課題に対し、目標とサービス内容を計画、実施しています。【生活全般のニーズ】
◆妻と一緒に生活したい◆手術や抗癌剤治療はせずに過ごしたい
療養上の課題 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|
肝細胞がん末期で食欲の低下がある。体調の変化が起こりやすい | ◆痛みや苦痛が緩和され、安楽に過ごせる ◆栄養状態を保てる |
◆全身状態の確認を行う ◆病気の管理を行う(内服薬、貼り薬の管理など) ◆食事摂取状況の観察 ◆医師や関係スタッフとの連携をはかる ◆傷の処置や脚のマッサージ |
体力や筋力の低下があり、転倒の可能性がある | 転倒や転落がなく過ごせる | ◆ベッド周囲の環境を整える ◆状態にあった福祉用具を貸与する(ベッド・歩行補助具・車椅子) |
妻が認知症・要介護状態であるため、今後が心配 | 妻の介護サービスが整い、不安を軽減できる | ◆妻に適切な介護サービスを提供する ◆本人、妻の話を傾聴し、不安の軽減に努める |
家事や身の回りのことができなくなり、介助が必要である | 介護や家事の支援を受け、不自由なく過ごせる | ◆入浴を介助する ◆掃除や洗濯の支援を行う ◆リビングの移動の介助や見守りを行う |
●入居までの経過
H様は奥様と二人暮らしをされていました。奥様は以前腰椎を骨折されており、認知症もあったため、H様が介護や家事を行っていました。 2023年春頃より食欲不振があり、近くのクリニックを受診。胃カメラの結果、胃炎と診断され、内服薬を処方されました。7月からは下痢がみられるようになり、8月に別のクリニックを受診し、肝臓の異常を指摘されています。歩行も難しくなったため、往診可能なクリニックの診察を受け、自宅で点滴が行われました。その後の検査で肝細胞がんであることがわかり、病院に入院されています。 病院の医師からは、以下の説明を受けています。 ◆がんが大きい ◆90歳と高齢であり、手術や放射線治療は難しい ◆今後は痛みなどの緩和治療を行う ◆退院後の療養先として以下の1~3の選択肢がある1.訪問診療などを入れて在宅で過ごす
2.医療に強い施設に入所する
3.緩和ケアのできる病院に入院する ◆いつ急変してもおかしくない状態である 病院の医師からの情報を連携機関で共有し、サービスを提供しました。
●入居前期
9月19日、病院を退院後奥様と当住宅にご入居されています。意識はしっかりされており、4点杖(先が4つに分かれている杖)での歩行が可能でした。療養上の課題に対し、訪問看護や訪問介護、訪問診療のクリニックと連携をとりサービスを提供しています。 入居当初は、発熱や血圧の大きな変動もなく過ごされています。痛みを訴えられることもほとんどありませんでした。がんの影響で膝から下がむくみがひどく、皮膚の状態もよくありませんでした。足の一部から液が出ていたため、看護師が処置を行っています。膝から下のむくみに対しては、マッサージを実施。実施後は幾分改善がみられました。食欲は日によって波がありましたが、半分以上は摂取されていました。●入居中期
痛みなどの苦痛はみられないものの、10月25日の採血で肝臓の状態の悪化がわかり、内服薬が追加されています。また、物忘れの症状もみられるようになりました。財布がなくなったとおっしゃることがあったため、私たちはスタッフ間で話し合い、統一した対応をとることにしました。一緒に探したり、共感したりしてH様が安心できるように努めました。その後は大きなトラブルなく経過しています。 11月中旬頃より、食事・水分摂取量の低下、起き上がり時のめまいや倦怠感がみられるようになりました。「もう長くはない気がする」というお言葉が聞かれるようになったため、話の傾聴に努めています。 11月下旬には食事や内服薬の服用が困難になりました。H様に点滴の選択肢もあることを説明しましたが、ご希望はされませんでした。●お看取りまで
その後も食欲は戻らない状況でした。12月4日、娘様と今後の方向性について話し合いをしています。「食べたいものを食べてほしい」「痛みや苦痛があれば和らげてほしい」「最期は間に合うようにしたい」とのご希望を確認しています。 12月5日、日中は呼びかけに対して反応があり、筆談でのコミュニケーションは可能でした。夜間に入り血圧や意識の低下、便の状態に変化が現れました。時間の問題であることが予測されたため、長女様に連絡。長女様ご家族、次女様がお見えになられています。12月6日早朝、奥様とお二人の娘様が見守られる中、H様は息を引き取られました。 お二人の娘様からは「ここに来て父は最期まで母と過ごせてよかった」とのお言葉をいただいています。 常にご自分のことより奥様を心配されていたH様。当住宅で「残された時間も妻と一緒に過ごしたい」という想いに沿えたのではないかと考えています。奥様には引き続きご利用いただいており、今後も安心してお過ごしいただけるように努めてまいります。センチュリーテラス船橋の安心ポイント
ご夫婦でのご入居が可能
センチュリーテラス船橋は、1Rから1LDK(18.00㎡〜51.00㎡)まで4つのタイプの居室を用意しており、ご夫婦でのご入居も可能です。プライバシーに配慮されたバリアフリーのお部屋で、自宅と変わらない生活をお過ごしいただけます。日中の外出や、ご家族様・お友達の出入りも自由です。お看取りにも対応可能
センチュリーテラス船橋では、お看取りの方の対応が可能です。(※延命処置を希望されない場合は、事前にご同意いただきます) 担当医師や訪問看護師、介護福祉士などのスタッフと連携をとり、ご入居者様が安心して生活できるように努めています。病状が思わしくなく、ご自宅での生活に不安がある方は、ぜひご相談ください。