
認知症
2025.09.24
こんにちは
やさしい手渋谷東訪問介護事業所です
認知症の方との上手なコミュニケーション方法
〜心に寄り添う接し方のコツ〜
はじめに
認知症の方とのコミュニケーションに戸惑いを感じることはありませんか?
「何度も同じことを聞かれる」「急に怒り出してしまう」「会話が成り立たない」など、ご家族や介護者の方からよくお聞きする悩みです。
しかし、適切なコミュニケーション方法を知ることで、認知症の方との関係はより良いものになります。
今回は、訪問介護の現場で培った実践的なコミュニケーションのコツをご紹介します。
基本的な心構え
1. その方の世界を受け入れる
認知症の方が話す内容が事実と異なっていても、まずは否定せずに受け入れましょう。
- ❌「それは違います」「忘れましたね」
- ⭕「そうなんですね」「教えてください」
2. 感情に寄り添う
言葉の内容よりも、その時の感情に注目することが大切です。
- 不安そうな表情 → 「何か心配なことがあるのですね」
- 嬉しそうな様子 → 「良いことがあったのですね」
実践的なコミュニケーション技法
話し方のポイント
1. ゆっくり、はっきりと
- 早口にならず、一つひとつの言葉を丁寧に
- 相手の理解のペースに合わせる
2. 短い文章で
- 複雑な説明は避け、シンプルに伝える
- 一度に複数のことを言わない
3. 具体的な表現を使う
- ❌「あれ」「それ」などの指示語
- ⭕「お茶」「お薬」など具体的な名詞
聞き方のポイント
1. 最後まで聞く
- 途中で遮らず、相手のペースで話してもらう
- 沈黙も大切なコミュニケーションの一部
2. 共感を示す
- 「大変でしたね」「よく頑張られましたね」
- 相手の気持ちに寄り添う言葉をかける
場面別対応方法
同じことを何度も聞かれる時
対応例:
- 毎回丁寧に答える
- 「大切なことですものね」と理解を示す
- 答えを紙に書いて見えるところに貼る
不安や混乱を示している時
対応例:
- 「大丈夫ですよ」と安心できる言葉をかける
- 手を握るなど、適切なスキンシップ
- 好きな音楽をかけるなど、リラックスできる環境作り
拒否や抵抗がある時
対応例:
- 無理強いせず、時間をおいて再度声かけ
- 「お疲れ様でした」とねぎらいの言葉
- 別のアプローチ方法を考える
非言語コミュニケーションの重要性
表情・態度
- 穏やかで優しい表情を心がける
- 相手の目線に合わせて話す(座る・しゃがむ)
- 急な動作は避け、ゆったりとした動き
声のトーン
- 落ち着いた、温かみのある声で
- 大きすぎず、小さすぎない適切な音量
- 相手の聴力に合わせた調整
ご家族へのアドバイス
1. 完璧を求めすぎない
毎回うまくいかなくても大丈夫。お互いにとって良い時間を過ごせることが一番大切です。
2. 介護者自身のケアも忘れずに
疲れている時は無理をせず、専門職や地域のサービスを活用しましょう。
3. 小さな変化を見逃さない
認知症の症状は日によって変動します。体調や環境の変化に注意を払いましょう。
まとめ
認知症の方とのコミュニケーションは、技術だけでなく「心」が大切です。相手を一人の人として尊重し、その方らしさを大切にする気持ちが、良いコミュニケーションの基盤となります。