在宅介護やさしい手

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ご本人の思いに寄り添い、入浴への一歩につながった支援

2026.08.11

利用者プロフィール
年齢・性別: 90歳・女性
疾 患: 要介護1。認知症あり。
医療処置: 服薬管理がご自身では十分にできておらず、訪問介護と訪問看護にて服薬管理を含めた支援を行っている。
A D L: 日常生活動作は概ねご自身で行っているが、入浴時の洗髪や洗髪後の乾燥などを負担に感じており、入浴を避けている状況があった。また、服薬管理についても支援が必要な状態である。
生活環境: 住宅型有料老人ホームに入居されている。施設側から体臭について指摘があり、退去についてもほのめかされている状況であった。ご本人は「入浴している」と話されていたが、実際には十分に入浴できていないと考えられる状況であった。
利用開始前の状況
令和8年6月より、週1回の身体介護1・生活援助1のサービスを開始。支援内容は、シャワー浴介助、買い物同行、服薬介助、ごみ捨て、掃除、洗濯など。 サービス開始前は、認知症の影響もあり服薬管理が十分にできておらず、入浴についてもご本人は「入浴している」と話されていたものの、実際には十分に入浴できていないと考えられる状況であった。施設側から体臭について指摘され、退去についてもほのめかされていた。
訪問介護の支援内容
医療的ケアの提供
服薬管理に課題があるため、訪問介護による服薬介助を行うとともに、訪問看護(かえりえ用賀)とも連携して支援を行っている。 生活支援
シャワー浴介助、買い物同行、掃除、洗濯、ごみ捨てなどの生活支援を実施。 サービス開始当初はシャワー浴に対する警戒心があり、入浴介助を行うことができなかった。そのため、まずは買い物同行や一緒に掃除・ごみ捨てを行うなど、ご本人のペースに合わせた支援を実施した。 緊急時の対応
現時点で緊急対応を要する事象はない。訪問介護と訪問看護(かえりえ用賀)で連携し、ご本人の生活状況や服薬状況について継続して確認している。 精神的サポート
サービス開始直後はご本人に警戒心があり、シャワー浴を拒否されていた。そのため、無理に入浴を勧めるのではなく、買い物同行や掃除、ごみ捨てなどの日常的な関わりを重ね、担当ヘルパーとの信頼関係を築いていった。 今月に入り、シャワー浴について声掛けをした際にも拒否があったが、担当ヘルパーが「何か大変なことがありますか」とご本人の気持ちを確認したところ、「髪を洗ったり乾かしたりすることが大変で、めんどくさい」と話された。 そこで「私たちがお手伝いしますよ」と声を掛けたところ、ご本人から「それならやってもらおうかしら」との言葉があり、シャワー浴を実施することができた。
支援の経過と変化
初期(利用開始〜1週間)
サービス開始当初は、ご本人に警戒心があり、シャワー浴の声掛けをしても拒否され、入浴介助を行うことができなかった。 そのため、まずは買い物同行や掃除、ごみ捨てなど、ご本人が受け入れやすい支援から関わりを開始。日々の関わりを通して、担当ヘルパーとの関係づくりを進めた。 中期(2週間〜3週間)
買い物同行や一緒に掃除を行うなどの関わりを重ねることで、担当ヘルパーに対する警戒心が徐々に薄れ、信頼関係が形成されていった。 その後、シャワー浴について改めて声掛けを行った際には拒否があったものの、ヘルパーが拒否する理由を尋ねたところ、「髪を洗ったり乾かしたりすることが大変でめんどくさい」と、ご本人の本音を聞くことができた。 後期(4週間〜)
ご本人が負担に感じている部分について、「私たちがお手伝いします」と伝えたところ、「それならやってもらおうかしら」と受け入れてくださり、シャワー浴を実施することができた。 その後はシャワー浴を拒否されることもなくなり、担当ヘルパーのことも認識され、訪問時にはご機嫌よく迎えてくださるようになった。
成果
サービス開始当初は、担当ヘルパーへの警戒心からシャワー浴を拒否されていたが、買い物同行や掃除などの生活支援を通して継続的に関わることで、担当ヘルパーとの信頼関係を構築することができた。 また、単に入浴を勧めるのではなく、拒否の理由を確認したことで、ご本人が「洗髪や髪を乾かすことが大変」という負担を感じていることが分かった。その負担に対して「お手伝いします」と具体的な支援を伝えることで、シャワー浴を受け入れていただくことにつながった。 現在は拒否なくシャワー浴を実施でき、訪問時にも担当ヘルパーを認識してご機嫌よく迎えてくださるなど、支援に対する受け入れ状況が改善している。 服薬管理については引き続き課題が残っているが、ヘルパーとの信頼関係を築くことで、ご本人の生活上の課題を一つ改善することができた。
まとめ
本事例では、認知症があり、入浴や服薬管理などに課題を抱えているご利用者に対し、支援者側の都合でサービスを進めるのではなく、ご本人のペースに合わせて関係を築いていくことの重要性を学ぶことができた。 サービス開始当初はシャワー浴を拒否されていたが、買い物同行や掃除など、受け入れやすい支援から関わりを重ねることで、担当ヘルパーとの信頼関係が形成された。その結果、拒否の背景にある「洗髪や髪を乾かすことが大変」というご本人の思いを聞き取ることができ、具体的な支援を提案することでシャワー浴の実施につながった。 ご本人の「できない」「やりたくない」という言葉の背景には、身体的・精神的な負担や、本人なりの理由がある場合がある。今回の事例は、その思いを丁寧に聞き取り、信頼関係を築きながら支援することで、拒否があったサービスについても受け入れていただけるようになった事例である。 今後も訪問介護と訪問看護が連携し、ご本人の思いを尊重しながら、服薬管理を含めた生活上の課題について継続して支援していく。
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