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自宅のような場所での看取り
2025.06.02
多職種連携による尊厳ある最期の支援
A様(94歳、男性、要介護4、持病:高血圧症、慢性逆流性食道炎)は、サービス付き高齢者向け住宅にて2025年5月11日にご逝去されました。訪問看護ステーション、サ高住、訪問介護の三者が緊密に連携し、A様の最期を尊厳をもって支えた看取りの記録です。基本情報
94歳男性、要介護4。サービス付き高齢者向け住宅で生活。長男様とお嫁様が定期的に面会に訪れていました。 日常の楽しみ 抗酒薬(レグテクト)の確実な内服確認と管理方法の指導を行いました。薬の効果と副作用について説明し、自己管理能力の向上を目指しました。 医療面 在宅緩和ケアクリニックと連携し、定期的な訪問診療を受けながら生活されていました。看取りまでの経過①(安定期~変化の始まり)
安定期(2024年10月~12月) バイタルサイン正常。食事も「良好」「完食」と記録。他の入居者と食堂で食事を摂り、アクティビティにも参加されていました。 変化の始まり(2025年1月中旬) 食事の際に「むせる」という記録が増え、嚥下機能の低下が示唆されるようになりました。 コミュニケーション変化(2月上旬) 言葉でのコミュニケーションが減少。「首を横に振る」「うなずく」といった非言語コミュニケーションが増加しました。看取りまでの経過②(急変期~最終期)
急変期(2025年2月下旬~3月上旬) 2月26日、初めての緊急訪問。3月4日、呼吸音に副雑音/水泡音が出現。3月8日頃から飲み込みが明らかに困難になりました。 集中ケア期(3月中旬~4月) 訪問頻度が大幅に増加。3月17日、ご家族は「積極的な治療はせず施設にてお看取り希望」という決断をされました。 最終期(5月) 5月10日、呼吸状態が悪化。5月11日早朝5:07、A様はご家族に見守られながら安らかに息を引き取られました。看取りまでの経過②(急変期~最終期)
急変期(2025年2月下旬~3月上旬) 2月26日、初めての緊急訪問。3月4日、呼吸音に副雑音/水泡音が出現。3月8日頃から飲み込みが明らかに困難になりました。 集中ケア期(3月中旬~4月) 訪問頻度が大幅に増加。3月17日、ご家族は「積極的な治療はせず施設にてお看取り希望」という決断をされました。 最終期(5月) 5月10日、呼吸状態が悪化。5月11日早朝5:07、A様はご家族に見守られながら安らかに息を引き取られました。多職種連携による支援の実際
訪問看護の役割 状態変化に応じて訪問頻度を調整。バイタルサイン測定、呼吸状態評価、痰の吸引、口腔ケアなどの医療的ケアを担当しました。 サ高住スタッフの役割 日常生活全般を支援。食事形態の調整や排泄介助、皮膚状態の観察など、細やかな配慮を行いました。 ケアマネジャーの役割 定期的なケアプラン見直し、多職種カンファレンス開催、ご家族の意向確認と支援を行いました。A様の尊厳を支えた具体的な取り組み
コミュニケーションの工夫 言語能力低下時には筆談を活用。「頷き」「首を横に振る」「手を挙げる」といった非言語サインの読み取りに注力しました。最期まで丁寧な声かけを続けました。 その人らしさを支える工夫 好きなラジオを聴く環境整備、相撲中継の時間にはテレビをつける、季節の花を枕元に飾るなど、A様の趣味や好みを尊重しました。 家族との絆を支える取り組み 面会時間の柔軟な対応、ケアへの参加促進、状態変化時の迅速な連絡など、ご家族との絆を大切にしました。看護介入の成果
- 訪問看護頻度
- 3-4回
- 状態悪化期には1日3~4回の訪問を実現。最終期には夜間・早朝の対応も行いました。
- 重度褥瘡発生数
- 0
- 終末期まで重度の褥瘡発生を防止。右足踵の褥瘡も早期発見・早期対応により悪化を防ぎました。
- 家族満足度
- 100%
- 「A様の希望通りの最期を迎えられた」との評価をいただき、満足度の高い看取りを実現できました。
本事例から学んだこと・今後の課題
多職種連携の重要性 各専門職が密に情報共有し、役割分担を行うことで質の高い看取りケアを実現できました。 非言語コミュニケーションの価値 小さな表情や動作から意思を汲み取る姿勢が、尊厳を守るケアにつながりました。 早期からの意思決定支援の必要性 今後は元気なうちから本人の意向を確認し、記録しておくプロセスを充実させたいと考えています。