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【自宅のように気兼ねなく家族と会いたい】余命1か月でご入居されたお看取りの事例

2023.12.20

はじめに

ご高齢の方は、持病の急激な悪化が全身状態に影響を及ぼし、治療を行っても改善しない場合があります。余命が数週間から1か月となった場合、そのまま病院で過ごす方は多いでしょう。しかし、病院は面会時間などの制限があるため、思うように面会できないことがほとんどです。 今回紹介させていただくS様は、病状の急激な悪化により入院されましたが、改善が望めない状態でした。残された時間をサービス付き高齢者向け住宅【やさしえ中津】で過ごされ、ご家族との時間を持ちながら最期を迎えられています。

事例紹介

S様(男性)

年  齢 83歳
主な病名 急性腎障害・高血圧・糖尿病・脊柱管狭窄症
要介護度 要介護5
家族構成 長男(別居)、次男(別居)、長女(別居・県外)
導入サービス 訪問看護、訪問介護、訪問診療、福祉用具貸与

●療養上の課題と目標

S様の課題に対し、目標・サービス内容を計画し、実施しています。

《生活全般のニーズ》自宅でいる時のような生活を継続したい

療養上の課題 短期目標 サービス内容
急性腎障害により全身状態が悪化。看取り期にある 苦痛なく過ごせる ◆全身状態の確認を行う ◆病気の管理を行う(点滴・注射・痰の吸引・膀胱留置カテーテルの管理・排便管理など) ◆医師との連携をはかる
身のまわりのことが自分でできず、介助が必要 ◆身体の清潔を保てる ◆生活の支援を受けることができる ◆定期的に体を拭く ◆体が乾燥しているため保湿クリームを塗る ◆皮膚の状態を確認する ◆口の中をきれいにし、乾燥予防のジェルを塗る ◆掃除、洗濯を支援する
自力で体を動かせず、床ずれができる恐れがある 床ずれができない ◆お尻の清潔を保てる ◆定期的に体の向きを変える ◆適切なベッドやマットレスを使用する
看取りに対してご家族の不安がある ご家族の不安を最小限にできる ◆不安を表出できるような声かけ、環境作りを行う ◆十分なコミュニケーションをとる
※膀胱留置カテーテル:尿を出す管のこと

●入居までの経過

S様は弊社の訪問介護サービスをご利用になられ、自宅で生活をされていました。しかし、持病の状態が思わしくなく、徐々に体力・筋力が低下。自宅での介護が難しくなったため、当住宅への入居を検討されていました。そのような中、全身状態が悪化し緊急入院となっています。診断結果は脱水と急性腎障害でした。病院で治療を行いましたが、医師からは看取りの段階であり、数週間から1か月程度の余命だろうとの話がありました。 お看取りまでの期間を過ごす場所として、看護師が24時間常駐しており、面会が自由にできる当住宅を選択されました。

●入居前期

6月27日、病院を退院後当住宅に入居されました。入居後は訪問看護と訪問介護で連携をとり、毎日の生活をサポートしました。 ご自分で体を動かすことができず、すべての動作に介助が必要な状態でした。ほとんどお話されることはありませんでしたが、こちらからの声がけには反応があり、体の向きを変える時には協力が得られる状態でした。 私たちはS様の毎日の体温や脈拍、血圧の測定を行い全身状態の確認をしました。自力で排尿ができず膀胱留置カテーテルが入っていたため、尿量の確認や、抜け・漏れの観察などを行っています。 食事を受けつけられない状態であり、医師の指示による点滴が訪問看護師により行われていました。高血圧と糖尿病をお持ちであったため、高血圧の貼り薬交換や週1回の糖尿病の注射も看護師が行っています。

●入居中期

8月の半ばに入り痰の量が増加。痰が常にゴロゴロするようになり、体の向きを変えるだけでも痰が上がってきて吸引の回数が増えていきました。ご家族と医師に状況を報告。点滴は中止となっています。ご家族は言葉には出されませんでしたが、現状を受け止められていたご様子でした。 点滴中止後、尿量と痰の量は減少。呼吸は次第に不規則になっていきます。点滴による水分補給がなくなったため、体の乾燥や口の中の乾燥が進んでいきました。口の中をきれいにしたり、口の中専用の保湿ジェルを塗ったりして乾燥を防止に努めました。

●お看取りまで

8月29日、微熱があり血圧・呼吸状態、意識の状態の低下が著しくなりました。かろうじて吸引を嫌がられる様子はありましたが、数日以内だろうということが予測される状態でした。ご家族の面会時は、一緒に落語を聴いて過ごされています。私たちはご家族の不安を軽減するためお話の傾聴を行いました。最期が近いことを感じていたご様子でした。 8月31日、日中は微熱があり血圧は低めで経過、呼吸の異常は明らかでした。私たちはS様を見守りながら普段通りにケアを行いました。朝から長女様の面会があり、S様にマッサージしたり、さまざまなお話をしたりして一緒に過ごされています。 その夜、S様はご家族に見守られながらお亡くなりになられました。 S様がお亡くなりになってから、長女様からは次のようなお話をうかがうことができました。 「病院だと面会時間が決まっていて長い時間いれない。でも、やさしえ中津では来たい時に来ることができ、長い時間一緒にいることができました。父の好きなことを一緒に体験できて幸せでした。最期まで頑張った父を褒めたいと思います」 「やさしえ中津さんを選択して本当によかった。皆さんのサポートがなくてはここまで頑張ることができなかったです。このような最期を迎えることもできなかった。本当にありがとうございました」 当住宅では「会いたい時に気兼ねなく会える」というご家族の想いを叶えることができます。ご自宅にいる時のような生活ができるよう、これからもスタッフ一同で支援してまいります。

やさしえ中津の安心ポイント

●24時間365日安心のサポート体制

私たちは現在お看取りに力を入れています。大切なご家族の最期が近づいてきて「本当なら家でみてあげたい」「家でみたい気持ちはあるけれど不安」、このように思われる方は多いでしょう。 私たちは皆さまの想いを十分にお伺いし、安心して生活していただけるようにサポートいたします。

●介護と医療のスムーズな連携

やさしえ中津では介護と医療の連携に力を入れています。介護福祉士と訪問看護師が常に情報交換を行い、ご入居者様が不安なく生活ができるように努めています。担当医師との連携もスムーズですので、安心して生活していただけます。 医療的なケアがありご自宅での生活が難しい方、介護・看護のサポートを受け自宅のように気兼ねなく過ごしたい方は、ぜひご相談ください。

●お看取りの方の対応が可能

やさしえ中津では、「厚生労働大臣が定める疾病等別表第7」「別表第8(特別管理加算の対象者)」に該当される方、医師の特別な指示がある方にもご入居いただけます。 別表第7では、末期の悪性腫瘍、重症筋無力症など20の病気や状態が定められています。 別表第8に該当される方は、がんの痛み止めを使っている方や胃ろうから栄養をとっている方、尿の管が入っている方、人工肛門の管理や点滴を行っている方などです。 要介護や要支援認定を受けた方は本来、介護保険が優先されますが、別表第7や別表第8に該当する方、医師の特別な指示がある方は医療保険での訪問看護の対象となります。また、訪問看護は基本的に週3回が限度ですが、上記に該当する方は週4日以上、かつ、1日2〜3回の訪問が可能となるため、手厚い看護を受けられるようになります。 やさしえ中津では、訪問看護師がこのような方にも対応いたしますので、安心してお過ごしいただけます。 詳しくはお問い合わせください。
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